僕と腫瘍の5ヶ月戦記

『腫れがひかない...むしろ大きくなってる....』

そう思い始めたのは事件が起きてから3ヶ月後のこと....さすがに大きくなりすぎて喋るのに支障がでるほどにまで大きくなった唇のシコリ....

 

いつしか私はそいつを『マイク』と呼ぶようになった。 これはマイクと戦い続けた5ヶ月の戦争の話である。

 

事の発端

事件の始まりは昨年の10月にさかのぼる。

風呂上がり、テンションの上がった娘の頭を拭いているときだった、

『グフフ....ピョーーーーーン!!!!!』

『ガフッッッ!!!!』

娘の石頭がジャンプで私のアゴを直撃したのだ。

歯で唇を噛んでしまい流血の惨事だったのだが、まぁこんなことは子育ての生活の中でよくあることだからそのうち治るであろうと高を括っていたのである。

ところがいつまで経ってもマイクが去る様子はなく、下唇に君臨し続けたのである。

しかもだ、お腹が空くとなぜかマイクも大きくなるというまさに一心同体の生活が始まった、食事中も常にそこにいて、糸切り歯でまたそいつ噛んでしまう始末....噛むから腫れる、貼れるから噛むの繰り返しでしばらくは彼に触れないよう気をつけて生活しようと意識したが、いっこうに出て行く様子がない。

 

学校ではあまりの唇の腫れに

『先生やばくね?』という声が相次いで騒がれるほどになった...

↑これが当時の私の様子をホワイトボードのイラストで再現してくれたものである、かなり機嫌が悪そうなのがわかる。

 

別の事件で発覚

マイクと生活をするようになってから3ヶ月ほど経ったある日、普通にご飯を食べていたとき

『ヴォクッッッ!!!』

左奥歯が突然鈍い音を立てて真っ二つに折れたのだ....痛さに耐えかね次の日歯医者へ駆け込んだ、すると歯科医師に言われた。

 

医者『奥歯も重傷だけど唇も重傷だね...これどうしたの?』

私 『はい、子供の頭が直撃して腫れが引かなくなってしまったみたいで....』

医者『そっか〜、これ摘出手術しないと治らないね...紹介状書くよ』

私 『はい?』

医者『大丈夫 レーザーでちょちょってやって終わりだから』

 

ウソだ.....そんな.....ウソだ-------------!!!! だって唇噛んだだけなのにあと数日すれば治ると言ってくれ歯医者さんよ....

 

だがそんな願いも届かず、しかもマイクが大きすぎるためこの歯医者では摘出ができないとのこと...ちくしょ〜マイクめ..

 

 

そして紹介して貰った病院がまさかの自分が18の時に交通事故で入院していた病院.....

私の人生のオペはいつだってここになるわけだ.....

仕方が無い...さっさとこの忌々しいコイツを取り除いて貰わなければ...そう思いながらオペの予約をいれたのだ。

 

どうしたマイク!?

ところがどうしたことだろうか.....予約を入れた次の日からマイクがどんどん小さくなり始めたではないか!!! えっ!?いったいどういうことだ.....

まさかマイクは自分が消されるのを悟ったようにその身を小さくし始めたようだ....

少し寂しいじゃないか....確かにお前は邪魔だったよ...邪魔だったけど5ヶ月間も生活を共にしてきた仲じゃないか...最後くらいいつも通り堂々と居座っててくれよ...

そういう訳のわからない感情になるものである。

 

マイクの正体

診断後に告げられたマイクの正体は、粘液嚢胞 [ねんまくのうほう]と呼ばれるものでした、知っている方もいるかもしれませんがこのブログではあまりにえげつない画像になる為興味のあるかたは粘液嚢胞で画像検索してみてください。

まぁ簡単に説明すると、唇の下には唾液を溜めておく風船がたくさん入っていて、その一部が子供の頭が当たった時に潰されてしまい一ヶ所に唾液が集中してしまうという症状だそうな。

というわけで今回のオペは粘液嚢胞摘出手術というなんとも凄そうな名前が付けられたのである。

 

さよならマイク

そしていよいよ小さくなったマイクを摘出する日がやってきた。 運命の別れの日だ.....メス.....いやレーザーとやらで....唇を.....切る.....切断...される.......

考えただけでも恐ろしい.....

そしてオペの時に医者がこう言った

 

『腫瘍...小さくなってるね.....もしかしてこのまま放っておけばなくなるし今手術しなくてもいいんじゃないか?って思ってるでしょ? でもね、これ切らないと一生そのままだよ、ハハハ(笑)』

 

いや....こちとら笑い事ではない....オペをしなくていいのなら今すぐこの椅子からおりたい.....
おそらくあまりに緊張した顔を見た医者が気を遣ってジョークで和ましてくれたのであろう....

 

『しばらく唇腫れると思うけど、治るのは早いからね』


≫動画はコチラ

なるほど...きっとカンフーハッスル並みに唇が腫れるんだな....しかしこの腫れが引かなかったら....俺は卒業アルバムの担任欄にこの唇を晒すことになるわけだ...なんて恐ろしい....

オペは30分程度、局部麻酔でなんも感じず終わった....オペが終わる頃には自分の手の甲が爪痕だらけになっていた.....どんだけビビッていたのか....

 

医者『はい、おしまーい、これね、これが詰まっていた粘膜嚢胞』

(´-`).。oO(えっこれ持って帰ってみんなに見....)

 

医者『これ持って帰りたいだろうけど粘膜だから持って帰るまでに溶けてなくなっちゃうからダメなんだよね〜(笑)持って帰りたいと思ったでしょ?』

っち....全部読まれてる.....仕方が無いマイクとはここでサヨナラだ...

↑っとまぁ今ここの状態である

 

あとは大人しくしていれば勝手に糸もほどけるらしい....まるでマジックではないか...

 

だが問題は唇が腫れている日常生活である

唇が開かない=ご飯が美味しく食べられない....

というわけで口が1/4ほどしか開かない状態で無情にもお腹は空く一方。

不憫に思った嫁が提案してくれた食べ物が

 

『ひまわりのたね....』

 

ハムスターか....

 

まぁでも背に腹は替えられない....この際唯一口に入れられるひまわりの種でこの空腹から逃れるほかない......しばらくは ”ひまわりのたね” で過ごす日々が続きそうだ.....

 

4ヶ月間...邪魔だったけど寂しくなるぜマイク...できればもう会いたくないが楽しい毎日だったぜ。

 

 

 

みなさんも唇を噛んでしまったときは気をつけて下さい。

あと子供の頭が凶器だと言うことも。

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